透析を受ける敗血症性AKI患者での造影剤使用はリスクではない:日本
Association between intravenous contrast media exposure and non-recovery from dialysis-requiring septic acute kidney injury: a nationwide observational study

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
Intensive Care Medicine
年月
November 2019
45
開始ページ
1570

背景

近年、造影剤の使用は急性腎障害(AKI)リスクとは関連しないことが示唆されているが、持続的腎代替療法(cRRT)を受ける敗血症AKI患者でのリスクはどうか。日本University of Tokyo(東京大学)のMiyamotoらは、DPCデータベースを用いた後向観察研究により、cRRTを受けている敗血症性AKI患者での造影剤静注がアウトカムに与える影響を検討した。

結論

造影剤使用患者3,782名、造影剤非使用患者6,619名から、3,485組が傾向スコアによりマッチングされた。院内死亡と退院時のRRT依存からなる複合アウトカム率は、使用患者49.6%、非使用患者50.2%と差はなく、RRT期間も両群とも中央値4日で差はなかった。

評価

近年のメタ解析は造影剤のAKIリスクを否定しており、造影剤関連AKIを神話として退ける専門家もいる。すでにRRTを必要としている敗血症AKI患者での本研究においても、造影剤による悪影響は見られなかった。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)