病院前RSIでの筋弛緩薬、ロクロニウムはスキサメトニウムへの非劣性示せず:CURASMUR試験
Effect of Rocuronium vs Succinylcholine on Endotracheal Intubation Success Rate Among Patients Undergoing Out-of-Hospital Rapid Sequence Intubation: A Randomized Clinical Trial
背景
迅速導入気管挿管(Rapid Sequence Intubation)で用いられる筋弛緩薬として、ロクロニウムはスキサメトニウムに劣らないのか。フランスCHU de la ReunionのGuihardらは、病院外気管挿管を必要とした成人患者をロクロニウムまたはスキサメトニウムに割り付け、ロクロニウムの非劣性性を検証するランダム化比較試験CURASMURを実施した(n=1,248)。
結論
初回挿管成功率はロクロニウム群で74.6%、スキサメトニウム群では79.4%であり、非劣性基準は満たされなかった。挿管関連有害事象として低酸素は、ロクロニウム群9.0%、スキサメトニウム群9.9%でみられ、低血圧はそれぞれ6.4%、10.1%でみられた。
評価
スキサメトニウムは速やかな挿管が可能だが副作用が多く、議論が続いていた。この試験ではスキサメトニウム群の初回成功率が高い一方で、合併症はロクロニウム群で少なく、結論的とは言えない。