ビタミンD欠乏重症患者への高用量ビタミンD3、ベネフィット示せず:VIOLET試験
Early High-Dose Vitamin D3 for Critically Ill, Vitamin D-Deficient Patients
背景
ビタミンD欠乏は重症患者においてしばしば見られ、アウトカムの不良と関連すると考えられている。National Heart, Lung, and Blood Institute PETAL Clinical Trials Networkは、ICUの高リスクなビタミンD欠乏患者を、540,000 IUのビタミンD3またはプラセボの単回投与に割り付ける第3相ランダム化比較試験VIOLETを実施した(n=1,360)。
結論
二次検査でビタミンD欠乏が確認された1,078名が解析に含まれた。3日目の25-ヒドロキシビタミンDレベルは、ビタミンD群で平均46.9±23.2 ng/ml、プラセボ群では11.4±5.6 ng/mlであった。90日死亡率はビタミンD群23.5%、プラセボ群20.6%と有意差はなかった。他の二次エンドポイントにも群間差はなかった。
評価
VITdAL-ICU試験(http://doi.org/10.1001/jama.2014.13204)では高用量ビタミンD3群で非有意な死亡率低下がみられたものの、この第3相試験では再現されなかった。現時点では、早期のビタミンD欠乏症スクリーニング・治療は推奨されない。