救急からのICU入室は早い方がよい:オランダ1.5万人のデータから
Emergency Department to ICU Time Is Associated With Hospital Mortality: A Registry Analysis of 14,788 Patients From Six University Hospitals in The Netherlands
背景
重症患者はICUで管理されることが望ましいが、救急からICU入室までの時間の遅れは予後の悪化と関連するか。オランダUniversity Medical CenterのGroenlandらは、同国National Intensive Care Evaluationレジストリのデータを用いた後向コホート研究により、救急部門からICUまでの時間と院内死亡率との関連を調査した(n=14,788)。
結論
救急部門からICUへの時間は中央値2.0時間で、院内死亡率は22.2%であった。APACHE IVスコアが高い(>60.9%)患者では、ICUまでの時間の長さと死亡率が関連した(第2五分位2.4-3.7時間でオッズ比1.29、第1五分位3.7時間以上でオッズ比1.54)。この関連は30日死亡率、90日死亡率についても見出されたが、ICU死亡率との相関はなかった。
評価
オランダの大学ICUのデータから救急からICU入室までの時間が死亡率と関連することを確認した。関連は重症度の高い患者でのみ見られ、これらの患者を早期に識別し、素早くICU入室させることが肝要である。