救急からのICU入室は早い方がよい:オランダ1.5万人のデータから
Emergency Department to ICU Time Is Associated With Hospital Mortality: A Registry Analysis of 14,788 Patients From Six University Hospitals in The Netherlands

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
Critical Care Medicine
年月
November 2019
47
開始ページ
1564

背景

重症患者はICUで管理されることが望ましいが、救急からICU入室までの時間の遅れは予後の悪化と関連するか。オランダUniversity Medical CenterのGroenlandらは、同国National Intensive Care Evaluationレジストリのデータを用いた後向コホート研究により、救急部門からICUまでの時間と院内死亡率との関連を調査した(n=14,788)。

結論

救急部門からICUへの時間は中央値2.0時間で、院内死亡率は22.2%であった。APACHE IVスコアが高い(>60.9%)患者では、ICUまでの時間の長さと死亡率が関連した(第2五分位2.4-3.7時間でオッズ比1.29、第1五分位3.7時間以上でオッズ比1.54)。この関連は30日死亡率、90日死亡率についても見出されたが、ICU死亡率との相関はなかった。

評価

オランダの大学ICUのデータから救急からICU入室までの時間が死亡率と関連することを確認した。関連は重症度の高い患者でのみ見られ、これらの患者を早期に識別し、素早くICU入室させることが肝要である。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)