救急での鎮静が人工呼吸患者アウトカムに与える影響は:ED-SED研究
The ED-SED Study: A Multicenter, Prospective Cohort Study of Practice Patterns and Clinical Outcomes Associated With Emergency Department SEDation for Mechanically Ventilated Patients

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
Critical Care Medicine
年月
November 2019
47
開始ページ
1539

背景

ICU患者での早期の深鎮静は有害であると考えられているが、救急の人工呼吸患者ではどうか。Washington University School of Medicine in St. LouisのFullerらは、15施設の前向コホートから、人工呼吸管理を受ける救急患者における深鎮静(RASSが−3から−5、またはSASが2か1)とアウトカムとの関連を評価した(n=324)。

結論

救急での深鎮静は患者の52.8%であり、ICU入室1日目(53.8% vs. 20.3%)および2日目の深鎮静(33.3% vs. 16.9%)率と関連した。救急での深鎮静により人工呼吸不要日数、ICU不要日数、入院不要日数に差はなく、死亡率も深鎮静群21.1%、浅鎮静群17.0%で有意差はなかった。急性脳機能障害発生率は深鎮静群で高かった(68.4% vs. 55.6%)。

評価

救急で深鎮静された患者はICUでも深鎮静を受ける確率が高く、昏睡・せん妄の発生率がやや高かったものの、その他のアウトカムに差はなかった。救急鎮静の影響についてはさらなる調査が必要である。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)