心停止後低体温療法中患者での抗菌薬投与でVAPを予防できるか:ANTHARTIC試験
Prevention of Early Ventilator-Associated Pneumonia after Cardiac Arrest
背景
目標体温管理中の心停止後患者では人工呼吸器関連肺炎(VAP)のリスクが増加するが、予防的な抗菌薬のベネフィットはあるか。フランスUniversite de LimogesのFrancoisらは、ショック適応院外心停止成人患者での低体温療法(32〜34℃)中に、アモキシシリン/クラブラン酸またはプラセボ静注を2日間、3回/日で行う多施設ランダム化比較試験ANTHARTICを実施した(n=198)。
結論
7日以内のVAP発生率は抗菌薬群19%、プラセボ群34%と、抗菌薬投与により有意に低下した(ハザード比0.53)。7日目以降のVAP発生率(4% vs. 5%)、人工呼吸器不要日数(21日 vs. 19日)、生存患者のICU滞在日数(5日 vs. 8日)、死亡患者ICU滞在日数(7日 vs. 7日)、28日死亡率(41% vs. 37%)に群間差はなかった。
評価
このテーマでは42名をランダム化した先行試験(http://doi.org/10.1007/s00134-005-2585-5)に次ぐRCTであり、一次アウトカムのVAP率については低下効果を示したものの、その他のハードアウトカムに差はなかった。