子どもの熱傷での応急処置は流水20分:皮膚移植リスクが約半分に
Cool Running Water First Aid Decreases Skin Grafting Requirements in Pediatric Burns: A Cohort Study of Two Thousand Four Hundred Ninety-five Children
背景
現代のガイドラインは、熱傷での応急処置として20分程度流水で冷やすことを推奨しているが、特に小児では臨床的エビデンスは乏しい。オーストラリアChildren’s Burns and Trauma ResearchのGriffinらは、三次小児病院で前向に収集された小児患者コホートにおいて、応急処置と皮膚移植の必要性との関連を調査した(n=2,495)。
結論
90.6%が流水による応急処置を受けていたが(他は静水・氷・保冷剤など)、受傷3時間以内に20分間の流水を受けていた児は71.3%に留まった。全体で9.5%が移植を要したが、適切な流水処置を受けた児では、移植リスクが低下した(オッズ比0.6)。また適切な流水処置は全層熱傷(0.4)、入院(0.7)、手術室での介入(0.7)も減少させた。
評価
同じオーストラリアから示された成人での結果と同様(http://doi.org/10.1371/journal.pone.0147259、http://doi.org/10.1016/j.burns.2018.09.024)、ガイドライン推奨の流水処置が効果的であることを確認した。かつて一般的だった氷などによる冷却はかえって深達度を悪化させる可能性があるため注意が必要である。