救急での退院指導、パンフ・ビデオを用いても想起率は2/3:メタ解析
Patient Discharge Instructions in the Emergency Department and Their Effects on Comprehension and Recall of Discharge Instructions: A Systematic Review and Meta-analysis
背景
患者に自らの病状や治療・フォローアップ方針を理解してもらう退院時指導は、退院後の安全を期する上で重要だが、救急部門ではチャレンジングである。オランダErasmus Medical CenterのHoekらは、システマティックレビュー・メタアナリシスにより、救急での退院指導の方法が指導内容の想起に与える影響を評価した。
結論
51報の文献が含まれた。退院指導内容の正しい想起率は、口頭のみで8%〜94%、口頭+文書で23%-92%、口頭+ビデオで54%〜89%の範囲であった。メタアナリシスの結果、口頭のみの指導では想起率47%、口頭+文書で58%、口頭+ビデオでは67%であり、有意な差はなかった。
評価
研究間の方法論的な差が大きく、有意な差も示されなかった。ビデオを用いた指導でも、1/3の患者が指導内容を正しく思い出せておらず、より良い方法が模索される必要がある。


