救急の低リスクTIA・軽症脳卒中を外来で評価する
Safety and Feasibility of a Rapid Outpatient Management Strategy for Transient Ischemic Attack and Minor Stroke: The Rapid Access Vascular Evaluation-Neurology (RAVEN) Approach
背景
救急を受診した一過性脳虚血発作(TIA)・軽症脳卒中患者は、短期的なリスクを評価するため入院となる場合が多いが、この評価を外来で行うことは可能か。Columbia University Irving Medical CenterのChangらは、NIHSSが5以下、明らかな障害がない救急TIA・軽症脳卒中患者で神経科医によるスクリーニングを行い、低リスクとされた患者は退院、24時間以内に脳卒中クリニックで評価を行うRapid Access Vascular Evaluation-Neurologyアプローチの安全性・実現可能性を検討した(n=162)。
結論
95.1%が予定通りクリニックを受診し、66%がTIA・軽症脳卒中と診断された。2名の患者は、RAVENでの評価により入院を要した。TIA・軽症脳卒中と診断された101名のうち、90日以内に再受診・入院に至ったのは19.1%であった。死亡した患者、血栓溶解療法・血栓摘出術を要した患者はいなかった。
評価
適切にスクリーニングされた選択患者では、RAVENクリニックでの外来評価で安全とみられた。救急のスループットを改善し、不要な入院を減らす可能性を秘めたアプローチだが、安全性・費用対効果についてはより慎重に検討される必要がある。


