救急AFでのリズムコントロール、抗不整脈薬が先か電気ショックが先か:多施設RCT
A Multicenter Randomized Trial to Evaluate a Chemical-first or Electrical-first Cardioversion Strategy for Patients With Uncomplicated Acute Atrial Fibrillation
背景
急性心房細動の管理では、レートコントロール・リズムコントロールともに許容されることが臨床試験で確認済みだが、リズムコントロールを行う場合、抗不整脈薬と電気的除細動のいずれが優れるのか。University of British ColumbiaのScheuermeyerらは、発症48時間未満で合併症がなく脳梗塞リスクの低いAF患者を、はじめにプロカインアミドによる薬物的除細動を行う戦略、はじめに電気的除細動を行う戦略のいずれかに割り付ける多施設ランダム化比較試験を実施した(n=84)。
結論
99%が洞調律を回復し、全患者が帰宅した。4時間以内に帰宅可能だった患者の割合は、薬物的除細動群で32%、電気的除細動群では67%であった。脳卒中や死亡はなく、有害事象、救急再受診、QOLに群間差はなかった。
評価
小規模ながら、薬物ファースト戦略と電気ファースト戦略を比較した初のRCTであった。両戦略はともに安全とみられるが、ファースト戦略によるAF停止率は電気ファースト群で高く、救急滞在時間も短かった。