敗血症性ショックでのV1a選択的阻害剤selepressin、転帰改善せず:SEPSIS-ACT試験
Effect of Selepressin vs Placebo on Ventilator- and Vasopressor-Free Days in Patients With Septic Shock: The SEPSIS-ACT Randomized Clinical Trial
背景
V1a受容体アゴニストselepressinは、V1a受容体に選択的に作用することで、V1a・V2双方に作用するバソプレシンよりも高い効果が見込まれる昇圧剤である。ベルギーUniversite Catholique de LouvainのLaterreらは、ノルアドレナリンを要する敗血症性ショック患者を対象に、selepressinの3つの用量とプラセボを比較する第2b/3相ランダム化比較試験SEPSIS-ACTを実施した。
結論
868名がランダム化された。一次アウトカムである人工呼吸・昇圧剤不要日数は、selepressin群で15.0日、プラセボ群で14.5日と差はなく、90日死亡率(40.6% vs. 39.4%)や透析不要日数(18.5日 vs. 18.2日)、ICU不要日数(12.6日 vs. 12.2日)にも差はなかった。
評価
Selepressin群ではMAPが上昇し、ノルアドレナリン投与も減少したものの、患者指向アウトカムに改善をもたらすことはできず、二部構成の試験であったが第一部で無益中止に至った。