心停止後昏睡での目標体温、ショック非適応患者では低体温の方がよい:HYPERION試験
Targeted Temperature Management for Cardiac Arrest with Nonshockable Rhythm
背景
2013年に発表されたTTM試験は、院外心停止後患者の目標体温管理において33°Cと36°Cのアウトカムに差がないことを示し、実践に大きな影響を与えた。フランスUniversity Hospital CenterのLascarrouらは、蘇生後にICUに入室したショック非適応心停止後昏睡患者を、軽度低体温(33°C)または正常体温(37°C)による管理に割り付けるランダム化比較試験HYPERIONを実施した(n=584)。
結論
90日時点での神経学的良好アウトカム(CPCスケール1または2)は、低体温群10.2%、正常体温群5.7%であった。90日死亡率は低体温群81.3%、正常体温群83.2%と差はなかった。事前指定された有害事象の発生率に群間差はなかった。
評価
TTM試験では目標体温管理における決定打的エビデンスであったが、ショック非適応患者は2割ほどしか含まれておらず、この集団にフォーカスした試験が望まれていた。低体温のベネフィットが示されたことでガイドラインへの影響は必須で、至適な目標体温についての議論も再び活発化しそうである。