救急の混雑は帰宅患者でも短期死亡率と関連
Associations Between Crowding and Ten-Day Mortality Among Patients Allocated Lower Triage Acuity Levels Without Need of Acute Hospital Care on Departure From the Emergency Department
背景
救急の混雑は患者アウトカムの悪化と関連することが知られているが、緊急度の低い患者ではどうか。スウェーデンKarolinska InstitutetのBergらは、2009〜16年に同国の大規模病院2施設の救急を受診した全成人患者のうち、緊急度3-5にトリアージされ急性期院内治療を要しないと判断された患者の10日死亡率を調査し、救急滞在時間・病床利用率との関連を検討した(n=705,699)。
結論
10日死亡率は0.09%であり、死亡患者は80歳以上が多く(51.4% vs. 7.7%)、トリアージレベル3が多かった(63.3% vs. 35.6%)。救急滞在時間が8時間以上の患者は、2時間未満の患者と比べ、死亡率が高かった(オッズ比5.86)。病床利用率の死亡率オッズは、第1四分位群に対して、第2四分位群1.48、第3四分位群1.63、第4四分位群1.53であった。
評価
低緊急度にトリアージされた患者でも、救急の混雑が短期死亡と関連することを示した。混雑した救急でスループットを高めるために、アンダートリアージが生じることは容易に想像され、特に高齢、併存疾患の多い患者では注意が必要となる。


