終末呼気酸素(ETO2)で迅速導入挿管時の前酸素化を評価する
Use of End Tidal Oxygen Monitoring to Assess Preoxygenation During Rapid Sequence Intubation in the Emergency Department
背景
緊急挿管中の酸素飽和度低下を防ぐため、前酸素化が行われ、場合によりパルスオキシメーターにより評価される。Lincoln Medical CenterのCaputoらは、2施設の救急部門で迅速導入気管挿管(RSI)を受けた患者(n=100)において、RSI前後の終末呼気酸素(ETO2)を測定し、前酸素化の質を評価可能か検討した。
結論
ETO2レベルは前酸素化前には中央値53%、前酸素化後には78%となった。85%以上のETO2レベルを達成したのは1/4程度であった。ETO2中央値は、リザーバーマスクで前酸素化を行った患者で80%、BVM患者では77%であった。18%の患者が挿管中の酸素飽和度低下(SpO2が90%未満)を経験したが、このうち78%は導入中のETO2レベルが85%に達しなかった患者であった。
評価
前酸素化の方法によって達成ETO2レベルには差があり、救急で行われたRSIのほとんどで最良の酸素化は実現されていなかった。ETO2を定量化することで、最適な前酸素化を助けることができるかもしれない。

