終末呼気酸素(ETO2)で迅速導入挿管時の前酸素化を評価する
Use of End Tidal Oxygen Monitoring to Assess Preoxygenation During Rapid Sequence Intubation in the Emergency Department

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
Annals of Emergency Medicine
年月
September 2019
74
開始ページ
410

背景

緊急挿管中の酸素飽和度低下を防ぐため、前酸素化が行われ、場合によりパルスオキシメーターにより評価される。Lincoln Medical CenterのCaputoらは、2施設の救急部門で迅速導入気管挿管(RSI)を受けた患者(n=100)において、RSI前後の終末呼気酸素(ETO2)を測定し、前酸素化の質を評価可能か検討した。

結論

ETO2レベルは前酸素化前には中央値53%、前酸素化後には78%となった。85%以上のETO2レベルを達成したのは1/4程度であった。ETO2中央値は、リザーバーマスクで前酸素化を行った患者で80%、BVM患者では77%であった。18%の患者が挿管中の酸素飽和度低下(SpO2が90%未満)を経験したが、このうち78%は導入中のETO2レベルが85%に達しなかった患者であった。

評価

前酸素化の方法によって達成ETO2レベルには差があり、救急で行われたRSIのほとんどで最良の酸素化は実現されていなかった。ETO2を定量化することで、最適な前酸素化を助けることができるかもしれない。

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取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)