女性の心停止患者はバイスタンダー心肺蘇生を受けにくい:オランダの院外心停止データでも
Women have lower chances than men to be resuscitated and survive out-of-hospital cardiac arrest
背景
院外心停止(OHCA)患者における市民救助者による心肺蘇生(バイスタンダーCPR)実施率、患者の性別により差があるという懸念が浮上している。オランダAcademic Medical CenterのBlomらは、オランダ北ホラント州の、2006〜2012年に救急医療サービスによる蘇生が試みられた院外心停止患者のコホート(n=5,717)において、バイスタンダーCPR実施率やアウトカムの性差を検証した。
結論
女性はバイスタンダーによる蘇生の試みを受ける確率が低く(67.9% vs. 72.7%)、これは目撃あり心停止に限っても同様であった(69.2% vs. 73.9%)。蘇生を受けた女性の生存病院到着率は男性よりも低く(33.6% vs. 36.6%、OR:0.88)、生存退院率も低かった(12.5% vs. 20.1%、OR:0.57)。この生存アウトカムの差は、ショック可能リズムの差(33.7% vs. 52.7%)によって説明可能であった。
評価
このオランダのコホートでは、女性心停止患者はバイスタンダーによる蘇生実施率がやや低く、生存アウトカムは大きく劣った。生存アウトカムの差は、救急隊到着時の心リズムの差によると考えられるが、これについて著者らは、女性高齢者の方が独居が多い、女性の心停止は認識されにくい等の理由を考察している。


