電子タバコに関連した肺疾患:イリノイ・ウィスコンシンからの報告
Pulmonary Illness Related to E-Cigarette Use in Illinois and Wisconsin - Preliminary Report
背景
バッテリー駆動でエアロゾル物質を吸入する電子タバコ(E-Cigarette)は、従来のタバコよりも低毒性と考えられているが、健康への悪影響は詳らかではない。Illinois Department of Public HealthのLaydenらは、ウィスコンシン小児病院からの保健当局への報告を受け調査を開始しした。症状発現の90日以内に電子タバコその他の関連製品を使用し、画像で肺浸潤が認められ、他の原因によらない肺疾患症例の報告が求められ、患者へのインタビューを実施した。
結論
82件が報告され、うち53名が電子タバコ関連肺疾患の可能性がある症例、または確定症例とされた。83%が男性、年齢は中央値19歳であった。98%で呼吸器症状、81%で消化器症状、全員で全身症状がみられた。また全員に両側肺浸潤があった。94%は入院し、32%は挿管と人工呼吸器を必要とし、1人が死亡した。84%がテトラヒドロカンナビノール製品の使用を報告したが、製品やデバイスは多岐にわたった。
評価
7月10日の最初の報告から2ヶ月足らずでNEJMに発表された予備的報告である。多くの患者がTHC(大麻成分)製品を使用したと報告しており関連が疑われるが、詳細の確定にはさらなる調査が必要である。CDCの調査でも33州で450件の可能性症例があるとされており、「当面は電子タバコを使用しないことを考慮すべき」としている(https://www.cdc.gov/media/releases/2019/p0906-vaping-related-illness.html)。