心停止患者での最適な胸骨圧迫は深さ4.7cmで毎分107回
Optimal Combination of Compression Rate and Depth During Cardiopulmonary Resuscitation for Functionally Favorable Survival

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
JAMA Cardiology
年月
August 2019
Online first
開始ページ
Online first

背景

心停止患者での心肺蘇生に関する現行ガイドラインは、5〜6cmの深さ、毎分100〜120回の速度で胸骨圧迫を行うことを推奨しているが、これらの推奨閾値は個別的にもとめられたものであった。University of MinnesotaのDuvalらは、2007〜09年に行われたROC PRIMED試験の院外心停止患者のうち、最初5分間の圧迫深度・圧迫速度が記録されていた患者(n=3,643)で二次解析を実施、最適な深さと速度の組み合わせを決定した。

結論

最適な圧迫深度・圧迫速度の組み合わせは、深さ4.7cmで毎分107回というもので、この値の20%以内で心肺蘇生を行った場合、生存率が高かった(6.0% vs. 4.3%)。またこの値は、患者の年齢・性別・心リズム・他介入によって変化しなかった。インピーダンス閾値弁装置を使用した場合、最適な圧迫はより強く生存率と関連した(オッズ比1.90)。

評価

大規模RCTの二次解析から、現行ガイドラインの推奨を裏付けるデータをもたらした。単三電池程度の深さ、ABBA『Take A Chance On Me』やハウス・オブ・ペイン『Jump Around』のテンポ(BPM 107)で胸骨圧迫を行うことで、最良のアウトカムが期待できる。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)