院外心停止での難治性VFにDouble Sequential 除細動が有効か
The impact of double sequential external defibrillation on termination of refractory ventricular fibrillation during out-of-hospital cardiac arrest
背景
Double sequential体外式除細動は、通常の胸部左右のパッドに加え、もう一組のパッドを貼付け、連続的にショックを与える手法で、難治性心室細動(VF)へのオプションとして提案されている。カナダSunnybrook Centre for Prehospital MedicineのCheskesらは、同国4ヶ所の救急医療サービスで、標準的除細動を連続3回以上実施された成人院外心停止患者(n=252)を対象とした後向レビューを行い、除細動の様式・回数と難治性VFの停止および自己心拍再開との関連を調査した。
結論
79.8%は標準的な除細動のみ、20.2%はDS除細動を受けた。VF停止率は標準除細動患者78.1%に対し、DS除細動患者で76.5%と同等であったが、ショック回数による分析(除細動4-8回)では、DS除細動患者でVF停止率が高かった(29.4% vs 17.5%)。これは自己心拍再開率においても同様であった(15.7% vs. 5.4%)。DS除細動による自己心拍再開例のうち、66.7%は初回のDS除細動で再開に至った。
評価
連続的ショックによってより大きなエネルギーでの除細動を行う、あるいは一回目のショックによって閾値を下げ二回目の成功率を上げることを狙った手法で、北米では20年以上の研究が行われている。本研究では、先行ショック回数を揃えた場合、DS除細動でVF停止率が良好な傾向が認められた。同チームによる初のRCTが登録を開始している(NCT03249948)。