ボクサー骨折にはギプスよりもバディーテーピング:ランダム化比較試験
Is Buddy Taping as Effective as Plaster Immobilization for Adults With an Uncomplicated Neck of Fifth Metacarpal Fracture? A Randomized Controlled Trial

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
Annals of Emergency Medicine
年月
July 2019
74
開始ページ
88

背景

第5中手骨骨折は通称「ボクサー骨折」とも呼ばれ、手の外傷の2割を占める。オーストラリアGold Coast UniversityのPellattらは、合併症のない第5中手骨骨折の成人患者を、薬指・小指のbuddy tapingまたはギプス固定に割り付け、機能的アウトカム(quickDASHスコア)を比較するランダム化比較試験を実施した(n=97)。

結論

12週時点でのquickDASHスコア中央値は、両群とも0であった。休職日数はバディーテーピング群で中央値0日、ギプス群では2日であった。他の二次アウトカムに差はなかった。

評価

70度以下で回旋変形のないボクサー骨折では副子による固定は不要というのが近年のコンセンサスになりつつある(http://doi.org/10.1007/s00402-015-2361-0)。このRCTでも機能的アウトカムは変わらず、バディーテーピングにより早期の職場復帰が可能となった。

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取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)