脳梗塞血管内治療までの時間とアウトカムの関連をリアルワールドで確認:4.5時間が勝負
Association Between Time to Treatment With Endovascular Reperfusion Therapy and Outcomes in Patients With Acute Ischemic Stroke Treated in Clinical Practice
背景
急性主幹動脈閉塞患者での血管内治療の有効性は時間依存的であることが、ランダム化比較試験で示されている。University of California, Los AngelesのJahanらは、アメリカGet With The Guidelines-Strokeレジストリのデータを用いた後向コホート研究を行い、発症から血管内再灌流療法までの時間とアウトカムの関連を検討した(n=6,756)。
結論
発症から穿刺までの時間は中央値230分、病院到着から穿刺までの時間は87分、再開通率は85.9%、院内死亡/ホスピス転院率は19.6%であった。発症-穿刺時間とアウトカムとの関連は、30-270分では急勾配であり(15分ごとに独歩退院率1.14%増、院内死亡/ホスピス転院率0.77%減、症候性頭蓋内出血発症率0.22%減)、270-480分ではより緩やかであった。病院到着-1004時間についても同様で、30-120分のウィンドウでアウトカムとの関連がみられた。
評価
RCTの示唆をリアルワールドで確認した。また施設ボリュームや時間外患者であることが治療開始時間に与える影響も確認され、脳卒中治療システムに関するAHAの新しい勧告に反映されている。