赤血球の保存期間、大量輸血を要する外傷患者では死亡率と関連か:PROPPR試験の二次解析
Older Blood Is Associated With Increased Mortality and Adverse Events in Massively Transfused Trauma Patients: Secondary Analysis of the PROPPR Trial
背景
長期の赤血球保存は、輸血を受けた患者に悪影響をもたらすことが懸念されてきた。University of Alabama at BirminghamのJonesらは、大量輸血を要すると考えられるレベル1外傷センターの重症患者で赤血球:新鮮凍結血漿:血小板の比を検証した、第3相ランダム化比較試験PROPPRのデータを用いた二次解析を実施、赤血球輸血量・赤血球パック保存期間と死亡率との関連を評価した。
結論
678名で8,830単位の赤血球輸血が行われた。24時間死亡率は14.8%であった。22日以上保存された赤血球パックは、24時間死亡の増加と独立に関連した(1単位あたりの調整オッズ比1.05)。感度解析では、10単位以上の輸血を受けた患者でのみこの関連が認められた。
評価
赤血球パックの長期保存によるアウトカムへの影響は、ABLE試験・INFORM試験・TRANSFUSE試験などのRCTが繰り返し否定してきたところであるが、これらの試験の輸血量は中央値2-3単位であった。大量輸血患者では何らかの悪影響が現れる可能性があり、検証が求められる。