気管内チューブの固定にはテープよりもチューブホルダー
The effect of adhesive tape versus endotracheal tube fastener in critically ill adults: the endotracheal tube securement (ETTS) randomized controlled trial
背景
気管挿管患者での気管内チューブは通常テープによって固定されるが、定期的なテープ交換が必要で皮膚トラブルの問題もある。Vanderbilt UniversityのLandspergerらは、同施設の内科ICUに入室し24時間以上の人工呼吸管理を要すると思われる重症成人患者に、テープ固定とチューブ固定ホルダー(ホリスター社アンカーファスト)を割り付ける実臨床的ランダム化比較試験を実施した(n=500)。
結論
一次アウトカム(口唇潰瘍、チューブのずれ[2 cm以上]、人工呼吸器関連肺炎、顔面皮膚裂傷)の発生率は、ホルダー群7.8%(挿管1000日あたり22件)、テープ群17.2%(52.6件)であった。アウトカム項目のうち口唇潰瘍、チューブのずれはホルダー固定群で有意に減少した。肺炎、顔面皮膚裂傷、二次アウトカムに差はなかった。
評価
異なるチューブ固定法の安全性・アウトカムを比較した試験は、これまでほとんどなかった。この試験は、最も一般的なホルダーデバイスとテープを大規模比較し、チューブ固定ホルダーがICU患者の挿管時合併症を減少させることを実証した。