小児四肢損傷でのケタミン鎮痛、フェンタニルに非劣性:PRIME試験
Effect of Intranasal Ketamine vs Fentanyl on Pain Reduction for Extremity Injuries in Children: The PRIME Randomized Clinical Trial
背景
オピオイドは小児の急性疼痛で考慮されるが、固有の有害事象リスクもある。University of Cincinnati College of MedicineのFreyらは、小児外傷センターの救急を受診した中等度・重度の疼痛を有する外傷性四肢損傷患者に、経鼻ケタミンまたはフェンタニルを割り付けケタミンの非劣性を実証する二重盲検ランダム化比較非劣性試験PRIMEを実施した(n=90)。
結論
投与30分後の、VAS値低下はケタミン群で平均30.6 mm、フェンタニル群で31.9 mmであり、ケタミンの非劣性が示された。有害事象はケタミン群で多かったが(相対リスク2.5)、すべてマイナーで一過性のものであった。レスキュー鎮痛は両群で同等であった(0.89)。
評価
軽度有害事象はケタミンで増加したものの、鎮痛効果はフェンタニルに劣らなかった。(ショックのリスクのある患者など)オピオイドの使用に問題がある場合には、ケタミンが考慮されるべきである。