ブラジリアン柔術は出血のコントロールに有用か
Martial arts technique for control of severe external bleeding

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
Emergency Medicine Journal
年月
March 2019
36
開始ページ
154

背景

止血帯は大量の出血において力を発揮するが、利用できないシチュエーションもある。University of WashingtonのSlevinらは、片膝マウントによる肩・鼠径部・腹部の圧迫が、健康被験者(n=11)の上腕動脈・大腿動脈の血流量を低下させるかを検証した。

結論

血流速の中央値はベースラインの29.2 cm/sから、圧迫中は3.3 cm/sへと低下した。血流速の低下率は、肩の圧迫では97.5%、鼠径部で78%、腹部で35%(非有意)であった。完全な阻血は、肩73%、鼠径部55%、腹部9%で達成された。

評価

ワシントン大学のYouTubeチャンネルで著者による実演が見られる(https://www.youtube.com/watch?v=WZGDw4j45r0)。手指による止血よりも疲労が少なく、止血帯よりも迅速に、効果的な止血を得られる手法で、特に市民救助者による止血が必要な場面などで応用が期待できる。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)