ICUでのせん妄ガイドライン導入で脳機能障害が減少
Improved Guideline Adherence and Reduced Brain Dysfunction After a Multicenter Multifaceted Implementation of ICU Delirium Guidelines in 3,930 Patients

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
Critical Care Medicine
年月
March 2019
47
開始ページ
419

背景

Pain, Agitation, and Delirium(PAD)ガイドラインは、2013年に発表された、痛み・不穏・せん妄に有効なケアをバンドル化したガイドラインである。オランダErasmus MC University Medical Center RotterdamのTrogrlicらは、PADガイドラインが導入された6施設のICUで、導入前後のせん妄ガイドライン遵守率と患者アウトカムの変化を調査する前向前後研究を実施した(n=3,930)。

結論

ガイドラインの導入後、せん妄スクリーニング(35%から96%へ)、人工呼吸患者での浅鎮静(55%から61%へ)、理学療法(55%から61%へ)、早期リハビリ(10%から19%へ)が増加し、持続鎮静でのベンゾジアゼピン使用は減少した(36%から17%へ)。せん妄持続期間は5.6日から3.3日へ減少し、昏睡日数も14%から9%に減少した(リスク比0.5)。他のアウトカムに変化はなかった。

評価

大規模な前後研究により、ガイドラインの導入がケアの品質を向上させ、せん妄・昏睡の減少と関連することを明らかにした。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)