せん妄の治療・予防に有望な薬理学的介入は?:ネットワークメタ解析
Association of Delirium Response and Safety of Pharmacological Interventions for the Management and Prevention of Delirium: A Network Meta-analysis
背景
せん妄の治療・予防に関してはさまざまな薬理学的介入が検証されてきたが、決定打に乏しい。台湾Chang Gung Memorial Hospital at LinkouのWuらは、せん妄治療・予防のための薬理学的介入を検証したランダム化比較試験を対象としたネットワークメタアナリシスを実施した。
結論
治療については20件1,435名、予防については38件8,168名のRCTが含まれた。プラセボ・対照と比較して治療反応率が最も高かったのは、ハロペリドール+ロラゼパムであった(オッズ比28.13)。せん妄発症率を最も低下させたのはラメルテオン(0.07)で、オランザピン(0.25)・リスペリドン(0.27)・デクスメデトミジン塩酸塩(0.50)が続いた。死亡リスクの増加と関連する薬理学的介入はなかった。
評価
ネットワークメタアナリシス手法により有望な薬理学的介入を特定した。しかし、ハロペリドール+ロラゼパムもラメルテオンも、含まれた試験は1件だけであり、追加のRCTにより確認される必要がある。