高感度トロポニンIの「真の」99パーセンタイル値:CHARIOT研究
True 99th centile of high sensitivity cardiac troponin for hospital patients: prospective, observational cohort study
背景
心筋トロポニン検査は急性心筋梗塞の診断に必須の一部となっており、健常人の99パーセンタイル値が基準となる。イギリスUniversity Hospital SouthamptonのMariathasらは、同病院でルーチンに行われている高感度心筋トロポニンI(hs-cTnI)検査を受けた入院・外来の連続患者において、hs-cTnI値の分布および真の99パーセンタイル値を決定した(n=20,000)。
結論
集団全体の99パーセンタイル値は296 ng/Lであり、メーカーの推奨する40 ng/Lは集団の5.4%が上回った。急性心筋梗塞と診断された患者と臨床的理由でhs-cTnI検査をようした患者を除外した99パーセンタイル値は189 ng/L、入院患者の99パーセンタイル値は563 ng/L、外来患者では65 ng/L、救急部門患者では215 ng/Lであった。
評価
患者全体で20人にひとり、入院患者では7人にひとりが、メーカー推奨の99パーセンタイル値を上回った。メーカー推奨値をそのまま適用することは過剰診断を引き起こす可能性もあり、特に臨床的疑いのない患者でのTn値の解釈には注意を要する。