発症後間もないAFに救急で除細動を行う必要はない:RACE 7 ACWAS試験
Early or Delayed Cardioversion in Recent-Onset Atrial Fibrillation

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
March 2019
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開始ページ
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背景

心房細動(AF)は救急部門で一般的であるが、直ちに洞調律の回復をはかる必要はあるのか。オランダMaastricht University Medical CenterのPluymaekersらは、救急部門の新規発症(36時間未満)AF患者に、即時のカルディオバージョン、または心拍数コントロールのみで48時間以内に洞調律が回復しなければカルディオバージョンを行う待期アプローチを割り付け待期アプローチの非劣性性を確認する多施設ランダム化試験RACE 7 ACWASを実施した。

結論

4週目時点での洞調律回復は待期群91%・早期群94%であり、非劣性基準を満たした。待期群の患者の69%は自然に洞調律を回復した(早期群16%)。4週目までのAF再発は待期群30%・早期群29%であり、心血管合併症はそれぞれ10名・8名で発生した。

評価

虚血徴候や既往歴のないAF患者において、カルディオバージョンを避け、一定期間洞調律の自発的回復を待つことは合理的である。直ちに洞調律回復が見られない患者では抗凝固療法を開始する必要がある。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)