蘇生後の非STEMI心停止患者での早期冠動脈造影は無益:COACT試験
Coronary Angiography after Cardiac Arrest without ST-Segment Elevation
背景
ST上昇を伴わない心筋梗塞(NSTEMI)患者における冠動脈造影および経皮的冠動脈インターベンション(PCI)の利益は論争的である。オランダAmsterdam University Medical Center VUmcのLemkesらは、STEMI徴候のない院外心停止患者を、即時の冠動脈造影または神経学的回復後の冠動脈造影に割り付ける多施設ランダム化比較試験COACTを実施した(n=552)。
結論
90日生存率は即時冠動脈造影群で64.5%、後期群67.2%と差はなかった(オッズ比0.89)。目標体温到達までの時間はそれぞれ5.4時間・4.7時間と即時冠動脈造影群で延長したが(幾何平均比1.19)、他の二次エンドポイントに差はなかった。
評価
STEMIでない患者でのCAGについては合意が存在しないが、本試験の結果からは、NSTEMI患者で直ちに冠動脈造影を行う必要はないことが示唆される。同種の試験としてACCESS試験(NCT03119571)・DISCO試験(NCT02309151)も進行中である。