急性期脳卒中治療ハブをつくる
Impact and sustainability of centralising acute stroke services in English metropolitan areas: retrospective analysis of hospital episode statistics and stroke national audit data
背景
急性期脳卒中治療の進展に伴い、治療センターをハブに集約することが提案されている。英国University College LondonのMorrisらは、ロンドンとマンチェスターで2010年以後に導入されてきている集約化の効果を報告している。一次アウトカム・指標は、入院後90日死亡・入院期間・超急性脳卒中治療室(HASU)治療・19のエビデンスベース介入である。
結論
ロンドンの症例数は509,182、マンチェスターの症例数は218,120であった。マンチェスター圏では入院後90日死亡率は低下、特にHASU治療例で有意に低下した(23.5%→18.6%)。リスク調整後の急性期病院在院日数は1.5日短縮した。同都市圏の年間脳卒中死亡者は69名減少し、在院日数は延べ6,750日短縮した。一方、ロンドン圏では、入院90日後死亡率は低いままで変化せず、入院期間は短縮した。
評価
Fedexのシステムを救急医療に移入するUKの先進的取り組みである。ロンドンの死亡率は前回解析ですでに低下しており、リバウンドはなかった。今回はマンチェスターでも効果が表れた。高度集約化の実現・成功はNHSシステムの良い面が出たもので、日本やアメリカでは実現は困難である。


