クラッシュ導入でのバッグ換気は低酸素を予防する:PreVent試験
Bag-Mask Ventilation during Tracheal Intubation of Critically Ill Adults

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
February 2019
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背景

迅速導入気管挿管(RSI)で導入から挿管までの間にバッグマスク換気をすることは低酸素血症の予防になると考えられるが、誤嚥のリスクが問題とされてきた。Vanderbilt UniversityのCaseyらは、同国7施設のICUで気管挿管を受ける成人患者を、バッグマスク換気または観きなしに割り付けるランダム化比較試験PreVentを実施した(n=401)。

結論

導入から挿管2分後までの酸素飽和度最低値は、バッグ換気群で中央値96%、換気なし群で93%であった。酸素飽和度80%未満の重症低酸素血症は、バッグ換気群10.9%・換気なし群22.8%であった(相対リスク0.48)。誤嚥はバッグ換気群の2.5%、換気なし群の4.0%で報告された。48時間以内の胸部X線での新規すりガラス陰影に群間差はなかった。

評価

各ガイドラインでも対応の分かれる長年の論争点に、RCTエビデンスをもたらした。バッグ換気により、誤嚥のリスクを大きく増加させることなく低酸素を予防可能と考えられる。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)