心臓手術後患者でのアセトアミノフェン併用、術後せん妄を減らす:DEXACET試験
Effect of Intravenous Acetaminophen vs Placebo Combined With Propofol or Dexmedetomidine on Postoperative Delirium Among Older Patients Following Cardiac Surgery: The DEXACET Randomized Clinical Trial
背景
心臓手術後の患者では術後せん妄が一般的だが、鎮痛・鎮静薬の選択により予防可能か。Harvard Medical SchoolのSubramaniamらは、60歳以上でCABGまたはCABG/弁手術後のICU患者に対し、アセトアミノフェンまたはプラセボと組み合わせたデクスメデトミジンまたはプロポフォールを割り付けるランダム化比較試験DEXACETを実施した(n=121)。
結論
アセトアミノフェン静注に割り付けられた患者では、プラセボ群の患者と比してせん妄が有意に減少した(10% vs. 28%)。デクスメデトミジン群とプロポフォール群には有意な差はなかった(17% vs. 21%)。アセトアミノフェン群では、せん妄期間・ICU滞在時間が短く、レスキュー鎮痛が少なかった。デクスメデトミジン群ではレスキュー鎮痛のみ減少した。
評価
アセトアミノフェン静注により術後せん妄は大きく抑制された。より大規模な試験で確認されれば、心臓外科手術後患者での標準治療となるだろう。