低リスク失神患者は2時間のモニタリングで救急から帰宅できる
Duration of Electrocardiographic Monitoring of Emergency Department Patients with Syncope
背景
失神は致死的な原因を持つ場合があるが、救急の失神患者については高精度なリスク層別化を可能にする臨床スコアが開発されている。カナダUniversity of OttawaのThiruganasambandamoorthyらは、6施設の救急部門を受診した成人失神患者の前向コホート(n=5,581)において、Canadian Syncope Risk Scoreごとの重大な不整脈アウトカム(不整脈、不整脈への介入、原因不明死亡)およびアウトカムまでの時間を調査した。
結論
CSRSで低リスクに分類された患者は73.9%、中程度リスクは19.0%、高リスク7.1%であった。重大アウトカムは7.5%で、3.7%(207名)が不整脈であった。低リスク患者の不整脈イベントは0.4%、中程度リスク患者では8.7%、高リスク患者では25.3%であった。不整脈イベントの半数は、低リスク患者では救急到着後2時間以内、中・高リスク患者でも6時間以内に検出された。これらを除いた残存リスクは、それぞれ0.2%・5.0%・18.1%であった。
評価
各リスクグループをどれぐらいの期間モニタリングすれば良いか、という実践的問題に具体的な目安を示した。CSRS(https://www.mdcalc.com/canadian-syncope-risk-score)が0以下の患者は、2時間の心電図モニタリングで異常がなければ帰宅可能である。