心停止患者での骨髄路確保とアウトカム
Intraosseous versus intravenous access in patients with out-of-hospital cardiac arrest: Insights from the resuscitation outcomes consortium continuous chest compression trial
背景
骨髄路は静脈路確保が難しい患者でのオプションとして推奨されているが、心停止患者での骨髄路確保とアウトカムとの関連は。UT Southwestern Medical CenterのModyらは、Continuous Chest Compression試験のデータを用いて、院外心停止患者における骨髄路または静脈路の確保試行と生存退院・自己心拍再開・神経学的良好生存との関連を検討した(n=19,731)。
結論
3,068名で骨髄路、16,663名で静脈路確保が試みられた。骨髄路確保患者は、若く、女性が多く、初回確保・初回薬剤投与までの時間がわずかに早かった。未調整アウトカムは、自己心拍再開率(17.9% vs. 23.5%)・生存退院率(4.6% vs. 5.7%)・神経学的良好生存率(2.8% vs. 4.2%)とも骨髄路確保群で低く、自己心拍再開率については調整後も低いままであった(オッズ比0.80)。
評価
除去されえなかった交絡の可能性もあるが、PRIMED研究の二次解析でもアウトカム悪化との関連がみられている(https://doi.org/10.1016/j.annemergmed.2017.11.015)。骨髄路での送達薬物濃度の低下を示唆する研究もあり、現時点ではあくまで静脈路確保の代替オプションとみなされる。