免疫チェックポイント阻害剤の有害事象による救急受診
Adverse Effects of Immune Checkpoint Therapy in Cancer Patients Visiting the Emergency Department of a Comprehensive Cancer Center
背景
免疫チェックポイント阻害剤は各種がんへと適応が拡大され利用が広がっているが、特徴的な副作用プロファイルを有することも明らかになりつつある。University of Texas MD Anderson Cancer CenterのMajzoubらは、同センター付属の救急部門を受診した免疫チェックポイント阻害剤治療患者の後向レビューを行い、免疫関連有害事象(irAE)を同定・記述した。
結論
628名、1,026回の受診があった。このうち25.0%が、ひとつ以上のirAEと関連した。受診理由として最も多かったのは下痢であった。免疫チェックポイント阻害剤利用患者での救急受診では、下痢・下垂体炎・甲状腺炎・膵炎・肝炎が有意に多かった。大腸炎は良好アウトカムと、肺炎は不良アウトカムと関連した。
評価
本論文は、救急専門誌にMDアンダーソンがんセンターの救急部門から発表された点で目を引く。腫瘍医以外もirAEについて認識し、担癌患者の診療では適切に考慮しなければならない。