クリスマスには心筋梗塞が増える:スウェーデンの観察研究から
Christmas, national holidays, sport events, and time factors as triggers of acute myocardial infarction: SWEDEHEART observational study 1998-2013

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
BMJ
年月
December 2018
363
開始ページ
k4811

背景

心筋梗塞や心停止などの発生数は、季節やイベントに依存した変動があることが知られている。スウェーデンLund UniversityのMohammadらは、同国の冠疾患集中治療全国レジストリSWEDEHEARTにおいて、1993〜2013年の心筋梗塞283,014件とイベント(クリスマス/新年・復活祭・夏至祭・FIFAワールドカップ・UEFAチャンピオンシップ・オリンピック)との関連を調査した。

結論

クリスマスと夏至祭は、それぞれ罹患率比1.15・1.12と、心筋梗塞リスクが高かった。特に高いリスクはクリスマスイブで見られた(1.37)。復活祭やスポーツイベントとの関連はなかった。また一週間内/日内では、月曜日と早朝に心筋梗塞リスクが上昇した。75歳以上の高齢者や糖尿病患者、冠動脈疾患既往者ではよりリスクが顕著であった。

評価

クリスマス、あるいはイスラム教国でのイド・アル=フィトルに心筋梗塞リスクが上昇することが知られており、日本でも正月に院外心停止が増えるとした報告がある(http://doi.org/10.1016/j.resuscitation.2015.08.003)。非日常的な感情ストレスがリスクをもたらしている可能性があり、警戒が必要である。

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取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)