小児心停止では低体温管理も正常体温管理も同等:2件のRCTを統合解析
Therapeutic hypothermia after paediatric cardiac arrest: Pooled randomized controlled trials
背景
小児心停止での目標体温管理については、院外心停止でのTHAPCA-OH試験、院内心停止でのTHAPCA-IH試験とも低体温管理と正常体温管理の差を示せなかった。イギリスUniversity of BirminghamのScholefieldらは、両試験の患者データを統合し(n=624)、低体温管理(目標33.0℃)と正常体温管理(36.8℃)における神経学的良好生存その他のアウトカムを比較した。
結論
心停止前のVABS-IIスコアが70以上の児で、1年神経学的良好(VABS-II≧70)生存率は、低体温群28%・正常体温26%と差はなかった(相対リスク1.08)。12ヶ月時点でのVABS-IIスコアの変化、15ポイント以内の悪化もしくは改善した患者の割合も両群で差はなかった。1年生存率は各44%・38%であった(1.15)。輸血製剤使用、感染症、重篤な不整脈イベント、28日死亡率にも差はなかった。
評価
サンプル数を倍にしたこの解析でも目標体温による差は見られなかった。発熱が回避されていれば、いずれの目標体温でも合理的であろう。