敗血症性ショックにチアミンを投与すると死亡率が下がる?
Effect of Thiamine Administration on Lactate Clearance and Mortality in Patients With Septic Shock

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
Critical Care Medicine
年月
November 2018
46
開始ページ
1747

背景

重症患者ではチアミン欠乏が一般的であることが明らかにされつつある。University of KentuckyのWoolumらは、三次医療センターのICU敗血症性ショック患者の後向コホート(n=1,049)において、チアミン投与と乳酸クリアランス・臨床アウトカムとの関連を評価した。

結論

123名が入院24時間以内にチアミン静注を受けており、チアミンを受けなかった246名とマッチングされた。チアミン治療は乳酸クリアランスの改善と関連した(subdistributionハザード比1.307)。また28日死亡の減少とも関連した(ハザード比0.666)。二次アウトカムには差はなかった。

評価

敗血症性ショックの死亡率を大きく下げるとして話題になったMarikらのビタミンCカクテル(http://doi.org/10.1016/j.chest.2016.11.036)にもチアミンが含まれており、本研究はこれを補強する仮説を提供する。Marikプロトコルについてはすでに複数のRCTが進行しており、チアミンの有効性も間接的に明らかにされるだろう。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)