敗血症性ショックにチアミンを投与すると死亡率が下がる?
Effect of Thiamine Administration on Lactate Clearance and Mortality in Patients With Septic Shock
背景
重症患者ではチアミン欠乏が一般的であることが明らかにされつつある。University of KentuckyのWoolumらは、三次医療センターのICU敗血症性ショック患者の後向コホート(n=1,049)において、チアミン投与と乳酸クリアランス・臨床アウトカムとの関連を評価した。
結論
123名が入院24時間以内にチアミン静注を受けており、チアミンを受けなかった246名とマッチングされた。チアミン治療は乳酸クリアランスの改善と関連した(subdistributionハザード比1.307)。また28日死亡の減少とも関連した(ハザード比0.666)。二次アウトカムには差はなかった。
評価
敗血症性ショックの死亡率を大きく下げるとして話題になったMarikらのビタミンCカクテル(http://doi.org/10.1016/j.chest.2016.11.036)にもチアミンが含まれており、本研究はこれを補強する仮説を提供する。Marikプロトコルについてはすでに複数のRCTが進行しており、チアミンの有効性も間接的に明らかにされるだろう。