家庭血圧測定の推奨が救急受診を増やしている?
The Characteristics and Outcomes of Patients Who Make an Emergency Department Visit for Hypertension After Use of a Home or Pharmacy Blood Pressure Device
背景
高血圧による救急受診は、過去十数年において増加傾向にあることが示されている。カナダUniversity of TorontoのAtzemaらは、一次診断が高血圧であった救急成人患者を対象とした後向観察研究を行い、救急高血圧患者の受診理由に占める自宅での血圧測定、薬局での血圧測定、医師による紹介の割合を調査した(n=1,508)。
結論
自宅での血圧測定後の受診は40.9%、薬局での血圧測定は8.3%、医師の紹介は13.3%であり、37.5%は記載が無かった。全体で7.2%が入院し、自宅・薬局測定患者では3.1%、紹介患者では11.9%、無記載患者では11.0%であった。2年死亡率は5.4%・0.0%・6.5%・5.3%であった。救急から直接帰宅した患者のうち11%は1年以内に再び救急を受診した。
評価
高血圧受診が増加していることを示した著者ら(https://doi.org/10.1016/j.annemergmed.2016.04.060)によるフォローアップ研究である。他に徴候のない高血圧患者が救急治療/入院を要することはほとんどなく、かかりつけ医への受診が推奨されるべきであろう。


