妊婦での肺塞栓症診断
Diagnosis of Pulmonary Embolism During Pregnancy: A Multicenter Prospective Management Outcome Study
背景
妊娠女性では肺塞栓症(PE)のリスクが高まることが知られているが、PEが疑われる妊婦での至適な診断・管理戦略は。スイスGeneva UniversityのRighiniらは、救急のPE疑い妊婦患者(n=395)で検査前確率の評価と高感度D-dimer検査を行い、PEが除外できない患者では下肢圧迫法超音波検査、さらにCT肺アンギオグラフィを実施した。一次アウトカムは3ヶ月以内の静脈血栓塞栓イベントであった。
結論
7.1%がPEと診断された。7名が超音波、19名がCTPA、2名がV/Qスキャンによる確定診断であった。除外診断では、46名が事前確率とD-dimer陰性、290名がCTPA、17名がV/Qスキャンによる除外であった。PEが除外された女性での3ヶ月症候性静脈血栓塞栓イベントは 0件であった。
評価
PE疑い妊婦での管理戦略を検討する初めての前向研究であった。D-dimerのカットオフ値などは今後の検討課題だが、現在のところ本研究のプロトコルに従うのが安全と思われる。