非侵襲的換気への切り替えはICU人工呼吸患者のウィーニングを早めない:Breathe試験
Effect of Protocolized Weaning With Early Extubation to Noninvasive Ventilation vs Invasive Weaning on Time to Liberation From Mechanical Ventilation Among Patients With Respiratory Failure: The Breathe Randomized Clinical Trial

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
The Journal of the American Medical Association
年月
October 2018
Online first
開始ページ
Online first

背景

侵襲的換気においてウィーニングの困難が予想される患者で、非侵襲的換気への切り替えはウィーニングを容易にするだろうか。イングランドUniversity of WarwickのPerkinsらは、NHSの41施設ICUにおいてウィーニング困難な患者を、プロトコル化された早期抜管と非侵襲的換気への切り替えまたは標準的ウィーニング(自発呼吸トライアル)へ割り付けるランダム化比較試験Breathe研究を実施した(n=364)。

結論

人工呼吸離脱までの期間(中央値)は、非侵襲的換気群4.3日・標準的ウィーニング群4.5日と有意差はなかった。侵襲的換気の期間はそれぞれ1日・4日と非侵襲的換気群で短く、総人口呼吸期間も短縮された(3日 vs. 4日)。再挿管・気管切開率・生存率に差はなく、有害事象発生も同等であった。

評価

人工呼吸離脱までの期間が試験集団全体で予想より短かったこともあるのか、ベネフィットは示されなかった。自発呼吸トライアルが失敗した患者で非侵襲的換気を行うことは有害ではないが、トータルの人工呼吸期間が短縮されることはない。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)