ICU患者でのプロトンポンプ阻害剤に利益はあるか?:SUP-ICU試験
Pantoprazole in Patients at Risk for Gastrointestinal Bleeding in the ICU
背景
プロトンポンプ阻害剤(PPI)はストレス潰瘍の予防を目的にICU患者に対してしばしば用いられるが、その有効性は不明である。デンマークRigshospitaletのKragらは、消化管出血リスクを有するICU成人患者において、1日40 mgのpantoprazoleまたはプラセボ静注を行う多施設・並行群間・ランダム化比較試験SUP-ICUを実施した(n=3,298)。
結論
90日死亡率は、pantoprazole群31.1%・プラセボ群30.4%と同等であった(相対リスク1.02)。臨床的重大イベント(臨床的に重大な消化管出血、肺炎、C. difficile感染、心筋虚血)についても、21.9%・22.6%と差はなかった(相対リスク0.96)。臨床的に重大な消化管出血はpantoprazole群2.5%・プラセボ群4.2%であった。
評価
Pantoprazoleにより重大な消化管出血は減少したものの、複合アウトカムに差はなく死亡率低下効果も認められなかった。超高リスク患者以外での利益には疑問符がつく。一方で、最新のメタ解析はPPIにより肺炎が増えるとしたが(http://doi.org/10.1007/s00134-017-5005-8)、この試験では感染イベントは同等であった。


