ICUからの直接退院は安全か?
Assessment of the Safety of Discharging Select Patients Directly Home From the Intensive Care Unit: A Multicenter Population-Based Cohort Study

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
JAMA Internal Medicine
年月
October 2018
178
開始ページ
1390

背景

集中治療室の重症患者のうち、回復後に一般病棟を経ることなく直接退院可能なのはどのような患者か。カナダUniversity of Calgaryらは、9施設の内科/外科ICU入室患者(n=6,732)を対象とする後向コホート研究により、ICUから直接退院した患者の医療利用と臨床アウトカムを検証した。

結論

患者の14%が直接退院したが、その割合は病院間で大きな差があった。直接退院患者は、一般病棟を経た患者と比して若く、薬物過剰摂取・物質離脱・てんかん・代謝性昏睡の割合が高く(32% vs. 10%)、入室時の重症度が低く、侵襲的換気が短期間であった。傾向スコアマッチングでは直接退院患者の入院期間が短く、30日以内の再入院(10% vs. 11%)・救急受診(25% vs. 26%)、1年以内の死亡(4% vs. 4%)は同等であった。

評価

患者によってはICUからの直接帰宅は安全であり、リソース利用の削減にも資すると思われる。適切な患者選択を行うためのプロトコルが必要とされる。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)