ICUからの直接退院は安全か?
Assessment of the Safety of Discharging Select Patients Directly Home From the Intensive Care Unit: A Multicenter Population-Based Cohort Study
背景
集中治療室の重症患者のうち、回復後に一般病棟を経ることなく直接退院可能なのはどのような患者か。カナダUniversity of Calgaryらは、9施設の内科/外科ICU入室患者(n=6,732)を対象とする後向コホート研究により、ICUから直接退院した患者の医療利用と臨床アウトカムを検証した。
結論
患者の14%が直接退院したが、その割合は病院間で大きな差があった。直接退院患者は、一般病棟を経た患者と比して若く、薬物過剰摂取・物質離脱・てんかん・代謝性昏睡の割合が高く(32% vs. 10%)、入室時の重症度が低く、侵襲的換気が短期間であった。傾向スコアマッチングでは直接退院患者の入院期間が短く、30日以内の再入院(10% vs. 11%)・救急受診(25% vs. 26%)、1年以内の死亡(4% vs. 4%)は同等であった。
評価
患者によってはICUからの直接帰宅は安全であり、リソース利用の削減にも資すると思われる。適切な患者選択を行うためのプロトコルが必要とされる。


