重症AKIを有する敗血症患者での早期透析は無益か:IDEAL-ICU試験
Timing of Renal-Replacement Therapy in Patients with Acute Kidney Injury and Sepsis
背景
急性腎障害(AKI)重症患者での早期からの腎代替療法(RRT)に関しては、最近2つの大規模RCT(AKIKI試験・ELAIN試験)が異なる結果を示した。フランスCentre Hospitalier Universitaire de NimesのBarbarらは、致死的合併症のない重症AKI(RIFLE分類でfailure段階)を有する早期敗血症性ショック患者を、12時間以内のRRT(早期戦略群)または48時間までの待期(晩期戦略群)に割り付ける多施設ランダム化試験IDEAL-ICUを実施した。
結論
二次中間解析結果を受けて、無益性のために試験は中止された。ランダム化された患者は488名で、90日死亡率は早期戦略群58%・晩期戦略群54%であった。晩期戦略群では38%の患者がRRTを受けず、17%が緊急RRT基準を満たした。
評価
2/3が敗血症性ショック患者であったAKIKI試験でも早期RRTの利益は示されなかった。絶対適応でない患者で、一定のあいだ腎機能の自然回復を待つのは合理的と思われる。重症AKIでのRRTタイミングについてはSTARRT-AKI試験も進行中である(NCT02568722)。