高エンドトキシン血症の敗血症性ショック患者でのPMXは無益:EUPHRATES試験
Effect of Targeted Polymyxin B Hemoperfusion on 28-Day Mortality in Patients With Septic Shock and Elevated Endotoxin Level: The EUPHRATES Randomized Clinical Trial

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
The Journal of the American Medical Association
年月
October 2018
320
開始ページ
1455

背景

PMX-DHPは血中エンドトキシンをポリミキシンB固定化カラムを用いて吸着する手法だが、敗血症患者でその実施を支持する強いエビデンスはない。Cooper University HospitalのDellingerらは、エンドトキシン活性レベルが0.60以上の敗血症性ショック患者を対象に、2度のポリミキシンB血液灌流またはそのsham治療を実施する多施設ランダム化試験を実施した(n=450)。

結論

28日死亡率はPMX群37.7%・sham治療群34.5%と有意差はなかった(相対リスク1.09)。MODSが9以上の患者についても、28日死亡率は44.5%・43.9%と差はなかった(1.01)。重篤有害事象はPMX群の65.1%、sham治療群では57.3%で報告された。

評価

先行したフランスのABDO-MIX試験はPMX群で非有意ながら死亡率が悪化する傾向を示しており(http://doi.org/10.1007/s00134-015-3751-z)、EUPHRATES試験でもアウトカム改善は見られなかった。現時点でPMXの標準的使用は支持されない。

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取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)