オックスフォード大ICUで発生したカンジダC. aurisアウトブレイクの原因とは
A Candida auris Outbreak and Its Control in an Intensive Care Setting
背景
2009年に日本で発見されたCandida aurisは、複数の抗真菌薬に対する耐性を有し、近年アウトブレイクの原因としてしばしば報告されている。イギリスUniversity of OxfordのEyreらは、同大学関連病院の神経科学ICUで発生したC. aurisのアウトブレイクとその制御について報告した。
結論
2015年2月2日から2017年8月31日にかけ計70名の患者でC. aurisの定着・感染が確認された。侵襲性C. auris感染は7名であった。C. auris保菌と関連する因子はリユーザブルな腋窩体表温プローブの使用(オッズ比6.80)とフルコナゾール曝露(10.34)であった。C. aurisは環境培養ではほとんど検出されなかったが、体表温プローブを含むリユーザブル機器から検出された。感染制御バンドルはアウトブレイクを制御できなかったが、体表温プローブを取り除くと新規C. auris例はなくなった。
評価
多剤耐性かつ標準的方法では同定が難しいカンジダとしてCDCなども注意喚起を行っている。今回報告されたオックスフォード大学病院でのC. aurisアウトブレイクでは、全ゲノムシーケンシングと電子カルテ記録を用いた調査により腋窩体温計が伝播ルートと判明し、成功裏にコントロールされた。