ステロイドは敗血症死亡をわずかに減らすが神経筋衰弱リスクも:最新メタ解析
Corticosteroids in Sepsis: An Updated Systematic Review and Meta-Analysis
背景
敗血症におけるステロイドの効果については長年論争が続いている。カナダMcMaster UniversityのRochwergらは、重症小児・成人患者の敗血症においてコルチコステロイドとプラセボ/無コルチコステロイドを比較したランダム化比較試験のメタアナリシスを実施した。
結論
42件のRCT、10,194名の患者が含まれた。ステロイドにより短期死亡率がわずかに低下する可能性があり(相対リスク0.93; 95%CI, 0.84-1.03)、長期(60日・1年)死亡率もわずかに低下する可能性がある(相対リスク0.94; 95%CI, 0.89-1.00)。またICU滞在日数・入院日数もわずかに短縮する可能性がある。また7日時点でのショック離脱率上昇、SOFAスコア低下をもたらす。有害事象として、高ナトリウム血症・高血糖・神経筋衰弱が増加する可能性がある。
評価
Intensive Care Med誌にもメタ解析が発表されており、同様の結論を導いている(http://doi.org/10.1007/s00134-018-5197-6)。ステロイドはショック離脱・ICU退室を早めるが、死亡率への効果は明確でなく、一部有害事象は増加する。