自動心マ器による胸骨圧迫は用手圧迫に優れない:デバイスごとのメタ解析
Efficacy and safety of mechanical versus manual compression in cardiac arrest -- A Bayesian network meta-analysis
背景
有効な胸骨圧迫を継続的に行える自動胸骨圧迫デバイスだが、用手圧迫との比較してより優れているとするエビデンスは少ない。Robert Packer HospitalのKhanらは、院外および院内心停止患者を対象に自動的胸骨圧迫と用手胸骨圧迫を比較した、ランダム化比較試験のベインジアンネットワーク・メタアナリシスを実施した。
結論
用手群6,992名、AutoPulse群2,608名、LUCAS群3,308名が解析に含まれた。AutoPulse群と比して、用手圧迫は30日生存/生存退院率(オッズ比1.40)・神経学的回復率(1.51)が高かった。LUCASとAutoPulseにアウトカム差はなかった。AutoPulse群と比して、用手圧迫では気胸リスクが低く(0.56)、用手圧迫とLUCASはそれぞれ血腫形成リスクが低かった(0.15・0.07)。確率解析では用手圧迫が最も効果的な治療法とされた(SUCRA:84%)。
評価
用手での圧迫が困難あるいは長時間の胸骨圧迫が必要な場合などで自動心マ器が有用な場面は存在すると思われるが、用手的圧迫との比較では優れていないばかりでなく有害な可能性があった。さらに自動心マ器による胸骨圧迫の多くで中断が生じるとする気がかりな報告もある(https://doi.org/10.1016/j.resuscitation.2018.09.013)。