緩和優先・挿管不要指示患者での非侵襲的換気
Noninvasive Ventilation in Patients With Do-Not-Intubate and Comfort-Measures-Only Orders: A Systematic Review and Meta-Analysis
背景
終末期患者では事前に緩和優先医療(Comfort-Measures-Only)指示や挿管不要(Do-Not-Intubate)指示が行われる場合があるが、これらの患者の急性呼吸不全に対する非侵襲的換気はどの程度有効か。Mayo ClinicのWilsonらは、システマティックレビュー・メタアナリシスにより、DNI・CMO指示下で非侵襲的換気を受けたICU・病棟患者を含むすべての研究から、その有効性を評価した。
結論
27件の研究からDNI指示患者2020名、CMO指示患者200名が含まれた。DNI指示患者の生存退院率は56%、1年生存率は32%であった。院内生存率はCOPDで68%、肺水腫で68%、肺炎41%、悪性腫瘍37%であった。病棟患者とICU患者の生存率は同棟であった。QOLの低下はみられなかったが、研究数は少なかった。CMO指示患者では、非侵襲的換気により呼吸困難とオピオイド使用がわずかに減少した。
評価
バイアスリスクはあるものの、DNI患者でのNIVは忍容性があり、とくにCOPD・肺水腫患者では有効な選択肢とみられる。また近年では、より快適で利便的なネーザルハイフローも代替として用いられるようになってきている。