ICUの面会可能時間を柔軟化すると患者・家族には良いが:メタ解析
Flexible Versus Restrictive Visiting Policies in ICUs: A Systematic Review and Meta-Analysis
背景
ICUの面会時間を延長することで、せん妄や不安などが軽減されることが示唆されている。ブラジルA.C. Camargo Cancer CenterのNassar Juniorらは、システマティックレビューとメタアナリシスにより、ICUにおける柔軟な面会ポリシーと制限的ポリシーを比較した既存研究のデータを統合した。
結論
16研究が基準を満たし、7件がメタアナリシスに含まれた。柔軟な面会時間はせん妄の頻度を減らし(オッズ比0.39)、不安症状の重症度を低下させた(平均差−2.20)。また柔軟な面会時間はICU死亡率(オッズ比0.71)・ICU感染率(0.98)を上昇させず、滞在日数も増加しなかった(平均差−0.26日)。患者家族は柔軟な面会時間に満足を感じていたが、ICUスタッフではバーンアウトレベルの上昇と関連した。
評価
研究数は少なく、バイアスレベルにより制限されているが、これまで示唆されていたせん妄予防効果を確認した。一方で、1件の研究(http://doi.org/10.1007/s00134-013-3087-5)では面会制限の撤廃により看護師のバーンアウトが増加しており、実施の際には注意を要する。