ICUの面会可能時間を柔軟化すると患者・家族には良いが:メタ解析
Flexible Versus Restrictive Visiting Policies in ICUs: A Systematic Review and Meta-Analysis

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
Critical Care Medicine
年月
July 2018
46
開始ページ
1175

背景

ICUの面会時間を延長することで、せん妄や不安などが軽減されることが示唆されている。ブラジルA.C. Camargo Cancer CenterのNassar Juniorらは、システマティックレビューとメタアナリシスにより、ICUにおける柔軟な面会ポリシーと制限的ポリシーを比較した既存研究のデータを統合した。

結論

16研究が基準を満たし、7件がメタアナリシスに含まれた。柔軟な面会時間はせん妄の頻度を減らし(オッズ比0.39)、不安症状の重症度を低下させた(平均差−2.20)。また柔軟な面会時間はICU死亡率(オッズ比0.71)・ICU感染率(0.98)を上昇させず、滞在日数も増加しなかった(平均差−0.26日)。患者家族は柔軟な面会時間に満足を感じていたが、ICUスタッフではバーンアウトレベルの上昇と関連した。

評価

研究数は少なく、バイアスレベルにより制限されているが、これまで示唆されていたせん妄予防効果を確認した。一方で、1件の研究(http://doi.org/10.1007/s00134-013-3087-5)では面会制限の撤廃により看護師のバーンアウトが増加しており、実施の際には注意を要する。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)